動脈硬化検診
動脈硬化検診について
長崎大学では、五島市の集団健診会場で特定健康診査や後期健康診査などを受けられる五島市民の皆様を対象に、「動脈硬化検診」という付加的な予防事業を行っています。
この事業は、「地域における生活習慣が影響を与えると考えられる疾患の追跡調査」の一環として、長崎大学倫理審査委員会の承認を受けて(承認番号:14051404)、五島市や長崎県健康事業団のご協力のもと行われます。
対象の皆様は、付加的な検査を無料で受けて頂くことができます。
なお、この予防事業で得られたデータは、受けられる皆様の健康管理のために、おおむね2か月後をめどにお返しするほか、個人情報を消去した安全な形で、五島市の保健事業や、将来の人たちの病気の予防のために、研究目的で利用をさせて頂きます。
また、以下3点につきまして、ご協力をお願い致します。
・生活習慣について、追加で問診をさせて頂きます。10分程度のお時間を要します。
・採血した血液検体の一部を、各種バイオマーカー、遺伝子解析のために、活用させて頂きます。これらの検査結果は、スクリーニング検査としての意義が未確立なため、受診者さんにはお返ししません。
・受診者さんの心筋梗塞・脳卒中・骨折などの発症の情報を収集し、生活習慣、各種バイオマーカーと、死亡や病気との関連性を分析するために、医療機関や五島市役所において追跡調査をさせて頂きます。
詳しくは、当日担当者よりご説明させて頂きます。
動脈硬化検診の日時について
動脈硬化検診の内容について
●筋肉量・体脂肪測定
体組成計(InBodyという検査機器です)を用いて、受診者さんの筋肉量や体脂肪の測定を行います。
心臓ペースメーカ、植込み型除細動器を装着されている方は、検査を受けて頂くことができません。またそのほかの医療機器についても、検査を受けて頂くことができない場合がありますのでお知らせ下さい。立位をとれない方、四肢のいずれかを欠損している方も、検査を受けて頂くことができません。
体内に金属製のインプラントやボルトが挿入されている方、妊娠されている方について、検査を受けて頂くことは可能ですが、結果の解釈に影響する可能性があります。
●血管年齢
血圧脈波検査装置(VaSera)を用いて、受診者さんの血管年齢を評価します。
検査台に横になって頂きます。左右の腕とふくらはぎの4か所に血圧計を、左右の手首と足首の4か所に器具を装着し、さらに心音を測定する器具を胸に装着して頂いた上で、左右交互に血圧を測定します。概ね5分程度のお時間を要します。測定不良の場合は、もう1回測定させて頂く場合があります。
●心音図検査
専用の機械を胸の2か所に装着し、それぞれ10秒程度で「心臓の音」を記録します。服を脱いで頂く必要はありません。
記録した音声を解析して、受診者さんに「大動脈弁狭窄症」や「心房細動」などの病気がないか調べます。
●血液検査
特定健康診査や後期健康診査の項目に加えて、関節リウマチや貧血にかかわる追加検査を行います。
なお、採血させて頂きました血液検体の一部を、個人情報と切り離した形で、各種バイオマーカー、遺伝子解析のために活用させて頂く予定です。ご理解とご協力をお願い致します。
●頸動脈エコー検査
超音波検査機器(GEヘルスケア社製)を用いて、両側の頸動脈(くびの太い動脈)が動脈硬化で狭くなっていないか、測定を行います。検査は座って頂いた状態で行います。
検査で著しい動脈の狭窄や閉塞がみられた場合や、甲状腺に大きな病変がみられた場合には、医療機関への紹介状を、結果とともにお送りする場合があります。
●骨粗しょう症検査
踵に超音波を当てて(Achilles Insightという機器を用います)、踵の骨の骨量を測定します。骨量が低い場合、骨粗しょう症(骨がもろくなる病気)の可能性ありと判定されます。
●舌圧検査
口に専用の機器を加えて頂き、舌を上あごに押し当てる力(舌圧)を測定します。口の機能を測る検査の1つとなります。
前歯がない方で、入れ歯や差し歯を装着されていない方は、プローブを固定できないため、検査ができません。また前歯が入れ歯や差し歯の場合で、しっかりと固定されていない場合や、前歯がぐらぐらしている場合は、歯が抜けたり、欠けたりする恐れがあるため、検査ができません。
●歯科検査
診察台に横になって頂き、虫歯や歯周病などの口の中の診察を行います。また、専用のグミを噛んで頂き、かむ機能を測定する検査も行います。
ことが可能です(お返しした結果を、通院先の医療機関でお役立て頂くことが可能です。)
※このほか、唾液検査へのご協力をお願い致します(専用のガムを噛んで頂き、容器に唾液をとらせて頂きます。唾液中の細菌を調べる検査となります)。
検診結果のご返却について
検診日のおおむね2か月後に、郵送で検診結果をご返却します。
著しい頸動脈の閉塞(くびの動脈が狭くなっていること)がみられる場合、関節リウマチに通院されていない方で、関節リウマチのバイオマーカーが高値の場合、心音図検査で「大動脈弁狭窄症」や「心房細動」などの病気の可能性が疑われた場合には、医療機関受診をお勧めするため、紹介状を添付させて頂きます。